整形外科(関節)

前十字靭帯断裂

膝関節

膝関節は、大腿骨と脛骨、膝蓋骨から構成されています。脛骨の上を大腿骨の丸い先端が滑り転がるように動いています。滑り転がるように運動するため、靭帯や半月板が膝関節を安定化させるために重要な役割を果たしています。

前十字靭帯

前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament:ACL)は膝関節を安定化させているロープの様な構造で、前内側帯(craniomedial band:CMB)と後外側帯(caudolateral band:CLB)の2つより構成されています。犬の前十字靭帯断裂は発生頻度の高い整形外科疾患で、1歳齢を超えた殆どの犬種において後肢跛行の原因として経験されます。

前十字靭帯の部分断裂もしくは完全断裂が起こると、種々の程度の膝関節の不安定性、疼痛、滑膜炎が発現し、不安定性の放置は二次性の変形性関節症や半月板損傷を招きます。

前十字靭帯の役割

膝関節側面
膝関節側面。
前十字靭帯(青矢印)、後前十字靭帯(緑矢印)、半月板(紫矢印)
右膝関節正面
右膝関節正面。
前十字靭帯(青矢印)、後前十字靭帯(緑矢印)、半月板(紫矢印)、膝蓋骨(赤矢印)、大腿骨(橙矢印)、脛骨(茶矢印)。
関節鏡像(正常)
関節鏡像(正常)。
ラブラドール・レトリバー、3歳齢の右膝関節。
前十字靭帯(ACL)、後前十字靭帯(PCL)、前内側帯(水色点線)、後外側帯(赤点線)
関節鏡像(正常)
関節鏡像(正常)。
ラブラドール・レトリバー、3歳齢の右膝関節。
前十字靭帯(ACL)、後前十字靭帯(PCL)。関節内探索用のプローブ(黄色矢印)にて後十字靭帯を避けて、前十字靭帯のみを観察しています。
関節鏡像(正常)
関節鏡像(正常)。
ラブラドール・レトリバー、3歳齢の右膝関節。
異常のない半月板がみられます。
半月板は大腿骨と脛骨の関節面をフィットさせる機能をもちクッションの役割をはたしています。
前十字靭帯断裂による関節の不安定性が持続すると半月板損傷を招きます。

前十字靭帯断裂における多い主訴

検査

特殊検査

前十字靭帯断裂と混同されやすい疾患

●股関節形成不全(CHD)
●膝蓋骨脱臼
●腫瘍性疾患

前十字靭帯断裂(部分断裂)

膝関節側面
膝関節側面。
右膝関節正面
右膝関節正面。
症例1
症例1
症例1
症例2

前十字靭帯断裂(完全断裂)

膝関節側面
膝関節側面。
右膝関節正面
右膝関節正面。
症例1
症例1
症例2
症例2

治療方法

●脛骨矯正骨切り術

TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)

TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)
TPLO(脛骨高平部水平化骨切り術)

aCBLO(CORAによる水平化骨切り術)

aCBLO(CORAによる水平化骨切り術)
aCBLO(CORAによる水平化骨切り術)
aCBLO(CORAによる水平化骨切り術)
aCBLO(CORAによる水平化骨切り術)

TTA(脛骨粗面前進化術)

TTA(脛骨粗面前進化術)
TTA(脛骨粗面前進化術)

●LSS(関節外安定化術)

LSS(関節外安定化術)
LSS(関節外安定化術)
LSS(関節外安定化術)
LSS(関節外安定化術)
LSS(関節外安定化術)
LSS(関節外安定化術)

●小型犬・猫の前十字靭帯断裂

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